純米@大吟醸

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ROTH BART BARON / 極彩色の祝祭

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 2020年に出会えてよかったバンド。聴けてよかったアルバム。

 それと、邦楽を自然に聴くようになった自分も良かったと思ってる。子供の頃からほんの数年前まで、私が自ら進んで聴いて買って観に行く中に日本のバンドはあまりいなかった。ひょんなことで人は変わるからおもしろい。今日はそんな中でももっともハマってしまった人たちのこと。

 ロット バルト バロンと読むらしい。ドイツ語読みはあやふや。英語だと思って読んでいたので、全然違うバンド名だと思ってた。なので当然、この並びからバンド名の由来らしいロットバルトを結びつけることはできなかった。ハリー ポッターのトム リデルとヴォルデモードも然り。

 極彩 | IGL (S) に引き込まれてしまった。

 最初はサビのメロディ。それとそれに乗る歌詞。特に「見たぁいんだ〜」のところ。

 次に歌詞。「君の物語を絶やすな」「誰かが作った幸せに逃げるな」「僕らはまだ何も成し遂げてない」。特にこの三箇所が好き。

 今年は世界が閉塞的極まりなかった。いろいろと考えるなかで、この三つの文が耳に入って来た時ハッとした。気がつけば私はこれまでずいぶん自分のことを二の次に、他人や社会の目の方を重視してきたように思う(そんなにやんごとない内容ではないけど)。でも、それは所詮他人が作ったもの。そこに逃げるべきではない。私は私の物語を大切に、それが何かを成し遂げることに繋がったらいい。そんな風に思わせてくれた。

 もう一曲、dEsTroYも熱狂的に好き。語りかけるように静かにひとりで歌って、サビはオーケストラのように壮大に盛り上げる。聴いている間に自然とワクワクが募る。

「他の誰も望まなくても 僕らは行き続けて見せよう 僕らが先 起こすことをまぁ楽しみにでもしててよ」

 激情家ではなさそうなのに、燃える決意か何かを秘めているように感じてる。

 ロット バルト バロンの音楽は、アナログなフォーク音楽の雰囲気に満ちているけど古くささがない。映像が目の前に浮かんでくる今っぽさがあるけど、イケイケではなく地に足が着いている。カーニバルみたいだし、自然の中が似合うし、アートっぽくて文学的。ライブではどんなになるのだろうと何度も思った。

 本当はライブに行きたかった。でも今回は我慢した。諸事情で仕方なし。きっとまたチャンスはあるから。

 ところで、ふたりバンドだった時の片割れの方はテニスのペアだったと書かれているのを読んだ。前衛と後衛。軟式テニスをされていたんだな。私もテニスをするので親近感。あと、三船さんは目黒区の出身だそう。ご近所の方であることにも勝手に親近感を覚えている。