純米@大吟醸

美しいと楽しい、旅と音楽と日々のこと。

107:紅葉見頃な高台寺の思い出

  • お上手でない習字
  • かぐや姫がいる照明
  • そぞろ歩きの小道

 お寺の方は習字が上手なイメージ。でも高台寺の前まで来て、全員ではないことを知った。しかもカレンダーの裏のような紙に書かれている。朱色の墨汁で書くところがセンスいいなぁ。そんな『紅葉見頃』のお知らせに親近感を抱き強く惹かれて、私は中に入った。

 高台寺のお寺の庭は広くて、ゆったりと風景を楽しめるようになっていた。寒空の下に控えめででも目に麗しい赤い植物がきれい。こうしてあちこちお庭を見ていると、知らない植物がたくさんあって恥ずかしい気持ちになる。

 ここには素晴らしい竹林があった。傾斜を登って行く場所で、周りには竹しか見えないなかなかの規模なもの。さっきまでの拓けた庭はどこに?と思ってしまったくらい。「竹取の翁という者ありけり」の一節を思い出した。

 辺りが薄暗くなると、竹林はよりムードある空間に変化する。歩いている間にナイスアイデアなライトを見つけた。竹取物語の翁が見つけた光る竹、風。中にかぐや姫がいそう。こういう物は実はインテリアショップに売ってそうで売ってない。これを考えた人のセンスが好き。

 このお寺に入った時は冷たい雨が降っていて寒かったけど、心はほかほかに温まった。私は日頃から情緒豊かな暮らしをしてる人ではない。それでもいつでも瞬時に“いとをかし”モードになれるのは日本人のいいところだと思う。皆、静かにお庭を観てた。

 帰り道。ぼんやりと灯のついた小道をそぞろ歩きする人々が微笑ましかった。昔はこういう景色がもっと日本のいろいろな所にあったんだろうな。もっと守るべきだったんじゃないかなと思わずにはいられない。

今日の場所は、Google My Map 大吟醸トラベル の109番。