純米@大吟醸

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38:ポツダムの思い出

  ここは私が知る、世界で二つのとんがりコーン建造物。

 ポツダムと言えば、ポツダム宣言。歴史の時間を思い出す場所だから行ってみることにした。ベルリンから電車で三十分。今ここに書くために調べてみて、また後悔した。とても魅力的な街だったみたいだから。

 電車で旅ができるのはヨーロッパの魅力だと思う。一度目は電車で、二度目は車で移動するのがベストのように感じる。ポツダムという街の近辺は氷河か大河のなごりなのか、または人口の運河の残りか湖のような場所がたくさんあるみたい。そういう場所に惹かれがちなので行ってみたい。

サンスーシ宮殿

 サンスーシ宮殿という場所がある。どうやってたどり着いたのかは覚えていないけど、鉄道の駅からは近いみたい。寒空の下、それでも多少の観光客の姿があった。到着した時に思ったのは、宮殿というより庭。この宮殿の印象はその庭だった。

 丘の一番上に建物があって、そこまでの坂は階段を登る。両側は段々畑になっていて、そこにとんがりコーンよろしく鋭利な三角に整えられた緑の木が植えられていた。ガイド系のウェブサイトに載っている写真にも確かにとんがりコーンの植木はある。だけど、それ以上に夏場のこの広場は緑が多く、植木がよく見えない。

 私が行った時、広場にある緑はとんがりコーンだけだった。他は壁と階段のコンクリートだけ。寂しい印象だったけど、その分とんがりコーンがはっきり目立ってよく見えた。その潔癖症よろしくなくらいにピタッと刈り込まれた様子にドイツを感じて、たくさん写真を撮った。でももうない。

ドイツオタクののH君

 ドイツにいる間に思い出したのは、子供の頃の同級生H君のこと。男でお父さんの仕事の都合でドイツから引っ越してきた。お父さんがエリートで息子も頭が良い。だけど、まだ子供なのに既に軍事オタクで、いつどこでも自分の世界に浸りまくる変な人でもあった。

 時はちょうどベルリンの壁崩壊の頃、その子は大興奮で学校にラジオを持ち込んで今何が起こっているのかに耳を傾けてはクラスメイトに情報をシェアしてくれた。ほとんどのクライスメイトにはいらない情報(笑)活きのいい男の子なんかはあからさまにうざったそうにしていたな。

 彼は高校に上がる前に再びドイツに引っ越してしまって、その後はどうしているのか音沙汰がない。ヨーロッパのことをたいして知らなかった私には彼=ドイツだったから、この時も頭に浮かんだのだと思う。彼が住んでいた街は全然違う場所にあるのだけど。

 そう、ドイツは広い。想像していなかったベルリンへの行き方のおかげで思っていたよりドイツに長居をした私たち。本当はもっとサラッと過ごそうと思っていたのに。でもこの後さらにドイツの旅が続くのだから思いつきは怖い。

ホーンテッドマンションみたいな電車席

 ポツダム観光を終えた私たちはドイツを出る。この時の電車がすごくて、ホームに入ってきた時に感動した。ヨーロッパの電車は日本の物よりスケールが大きく、シートもゆったりしているのだけれど、この時のタイプには二回くらいしか乗ることができなかった。シートのイメージはディズニーランドのホーンテッドマンションの乗り物。ひとつのシートが卵の殻のような楕円形をしていて、人間は卵に包まれるように座る。よって、普通席なのに超絶リラックス。私は爆睡してしまった(笑)

daiginjo travel berlin to amsterdam train

 ちなみに、私も友達も乗り物に乗ると寝てしまうタイプだったから工夫もした。この時はバックパックで行っていたのだけど、電車に乗ったら荷物は頭上の荷物棚に乗せて、まずは友達のと私のバックパックを自転車の鍵で繋ぐ。ロープタイプのやつで。次にもうひとつの自転車の鍵でバッグと荷物棚の柱を繋ぐ。自転車の鍵のロープは安い物でも簡単には切れないし、普段はバッグにくくりつけておけるから使い勝手が良かった。家を出る時に思いついて、お互い一つずつ持ってきた。会う人たちに「いいアイデアね」と褒められたな。

 あと、当時の日記にはこの電車の中で関根勤さんに似た人に会ったと書かれている。何それ。たぶんというか絶対日本人ではなかったと思う。

 

 この投稿の場所は、大吟醸トラベルMapの38番。

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