純米@大吟醸

美しいと楽しい、旅と音楽と日々のこと。

筒井時正玩具花火製造所の線香花火できっと恋に落ちる

daiginjo japanese fireworks

  気楽に人に会いに行くことが憚られる夏なので、季節のご挨拶でもと近所のお店に味見に行った。見た目がとても美しくおいしそうだけど、食べたこともない物を贈るのはどうかと思ったから。

 その時、ついでに巡った生活雑貨のお店で筒井時正玩具花火製造所の線香花火を見つけた。

 このとおり大変美しい花火だ。

 お店のことはSNSを通して知っていたけど、福岡のお店なので行ったことはなかった。あれ、浅草橋のお店にたくさん花火が並ぶ時期に見て知ったんだっけな?

 とにかく、線香花火を日本で作るたった2軒のうちのひとつということで興味があったのだ。15本入っていて600円した。ドンキーやコンビニだといろいろなタイプがセットになった物が買える値段だよね。だけど迷いはなかった。だって、こんなに日が暮れるのが待ち遠しかったのは久しぶりだったから。

 たった1本だけを手にとった時に明らかな違いを感じた。

 紙をよった柄(?)の部分にしっかりとしたハリがあって、斜めにしても柄が真っ直ぐをキープしてるのだ。

 火をつけた時はもっと違った。

 ジューッと小さな音を立ててマグマのような球体ができ始めると、とても濃くて心地の良い火薬の匂いが漂った。どれくらい良い香りかというと、もう意識して吸い込んでしまうほど。子供の頃から手にしてきた線香花火は紛れもなく海外産だったのだなと思った。持てばグニャッと頭を垂れたし、いい香りなんてしなかったもの。

 火の球はゆったりとしたペースで上がっていき、パチパチとオレンジの光を散らすようになる。そして、また沈黙のフツフツ。やがて、サラサラと柳のような火花へ。こんなに長く続く線香花火は初めてだった。不完全燃焼で途中で火の球が落ちてしまうこともなく、最後はすっと火薬が無くなって紙の柄だけになって終わった。

 音、匂い、光。この三つのバランスがとても良い。ジッと一点を見つめながら、次に期待をする。静かで穏やかで…、仲良しだけどつきあってはいない男女が一緒に火をつけたら恋するなと思った。

 この時間を共有できることは幸せ。この時間の発言や振る舞いでどんな人かがわかる。流されるのとは違う、良い雰囲気になって成就する気がした。だから、片思いの方はぜひ。

 って、これ。今しっかりと箱を見たら『東の線香花火 長手牡丹』という商品だった。東って何?とサイトを調べたら、なんと西バージョンがある。あ〜、そういえばお店には隣にもうひとつ、棒の先に裸の火薬が塗られた花火が売られてたな。あれも線香花火だったのか。

 これこれ。関西圏に縁がなくて、別の花火だと思ったから買わなかった…。また行ったら買ってみよう。今年はまだ梅雨明けしてないし、こっそり静かに花火をするくらいなら外出自粛になるはず。

 大事に大事に火をつけていきたいです。

tsutsuitokimasa.jp

  追伸:湿度100%の日が多いのですが、花火はしけたりしないのでしょうか?普通に室内において置いて良いのか気になりました。