29:長岡花火大会の思い出
- 待ちに待った休日開催
- イタリアン
- 大パノラマ
超有名だけど、平日に開催されるから社会人は行きにくい。
長岡出身の友人からそう聞いていた。「でもすごいから、いつか見て欲しい」と長らく言われていて、週末に当たった年にとうとう招待してくれた。
花火大会と言っても都会とは違う。ゆったり流れるダイナミックな川沿いに席が設けられていて、日が落ちるまで人々はのんびりする。私たちもそれに倣う。『イタリアン』という郷土食をひねり揚げに練りこんだうどんをお菓子にした物と会場近くの酒屋さんで買ったお酒。新潟といえば日本酒のイメージだから、やっぱりね。でも詳しくないから夏っぽい物をジャケ買いしてみた。
席に座ってみて見えた景色には、背の高いビルがなく空が広い。あんなに広い空を見るのは久しぶりだった。あとは気候。真夏だから暑いのだけど、自然が豊かだからか夜には気温が下がり、東京のような心地悪さがない。花火大会は暑くて汗をかいてつらいけど、こういう気候でなら最高だ。
食べ物の屋台もびっしり並んでいて、みんな食べたり飲んだりリラックス。そんな中、初めて見た光景がある。通の方なのか、結構な数の人が似た感じのお弁当を食べていた。しかもMacBookの横幅くらい四方の、大きな容器に入った幕内弁当風の物。花見弁当ような感じで地元のデパートで売り出されていそうな感じだった。もし再び行くことがあったら、今度はあのお弁当を食べてみたいな。
そして、たぶん八時くらい。日が落ちて観覧席も上の土手も人でいっぱいになった時、花火が上がり始めた。空が広いから花火自体が大きく感じるし、写真に収めると余白の暗闇がいっぱいになる。花火が伸び伸びしているように見えた。東京とは違って周りが暗いせいか、花火が炸裂した時の明るさが尋常じゃない。花火の根元というか上げている場所も見えていて、光によってあぶり出されるおかげで、花火師さんの姿まで小さく見えた気がする。光が川に写る様子もきれいだったな。
あとはパノラマ。花火が打ち上がっている間は、観覧席に座って顔を左右に百二十度ほど振り続けて花火を追わないとならない。川の上流から下流まで何メートルくらいあるんだろう?打ち上げ場所が横に広く、ナイアガラの演出が圧巻だった。
なんかもうすごすぎて、BGMに流れてる流行りの音楽はいらないと思った。だって、地面や川に落ちていく花火の欠けらを最後まで目で追えるんだもの。 花火はキャラクターやメッセージ系の笑える物から伝統的な物までさまざまだった。私はやっぱり昔ながらのシンプルなタイプが好きだな。
長岡の花火は、日本で大人気のイベントのひとつだと思う。東京から向かう高速道路は観光バスでいっぱいだし、会場へ向かう道も大混雑だった。だけど、いずれもイライラする空気はなくて、笑いながらつまみ食いしながらすんなり帰れるのが良かった。そんな環境で都会では味わえないダイナミックな花火を見られるんだから最高。行きたくなる気持ちもわかる。
その後、テレビで中継されるのを見たことはあるけれど、現地で見た時の感動は越えていない。日本人には、花火に惹かれる遺伝子が組み込まれてるんだと思う。
今日の場所は、Google My Map 大吟醸トラベル の29番。