85:ナイアガラの滝の思い出
- 雨天じゃないのに霧雨
- ポンチョでずぶ濡れ
- 新婚旅行のメッカ
ナイアガラに着いて、すぐにレインウェアを羽織った。
ナイアガラの滝周辺は瀑布のしぶきが風に乗って霧雨になり、近くの道を歩いているだけで髪がしっとりとした。体感温度も低く、涼しいを通り越して肌寒かった。
ものすごく人がたくさんいてガヤガヤしてるのに嫌ではない。土地が広いから?それとも某国の方がいないから?滝に向かって歩くにつれ水の音はすごくなって、とうとう教科書でもガイドブックでもよく目にしてきた滝の姿が目に入った。
思っていたよりずっと大迫力。
水の量もしっかりあって、ゴーゴーと音を立てて滝壺に落ちていく。シニアカップルの奥さんが乗り出しているのを旦那さんが支えているのが微笑ましい。落ちたら怖いから気をつけて。でも、この滝に落ちて助かった人がいるらしいと聞いた。運がいい人だ。滝を眺める人はそんなことは考えていないみたい。皆、目をキラキラさせていたのが印象的だった。
滝の裏ツアーに参加した。滝の上からもそうだったように、大人たちが童心に返ってキャッキャキャッキャとはしゃぐ。ポンチョを着せられているせいもあるのかな。わざとしぶきの近くに行って、ワーワー騒いで写真を撮る。本当にいい顔してた。
そして、メインディッシュ。霧の乙女号に乗る。いつ聞いてもすごい名前だ。いつからあるのだろうかと調べたら、フェリーで滝を見るサービスが始まったのは1846年らしい。この頃の日本は江戸時代で天保の改革が終わったくらい、十一代将軍の家斉の時代。思っていたよりずっと長い歴史をもった遊覧船だった。
このフェリーに乗ると、観光客のテンションはさらに上がる。再びポンチョを着て、どんどん滝に近づいてズブ濡れになり、ひたすらカメラのシャッターを切っていた。前を進んでいた別のフェリーを遠目に眺めると、あの水量の滝壺の前では無力に見えた。小舟か葉っぱか。滝壺や船の周りに漂う大量の泡が不思議だった。水の勢いでできるのかな。そのくらいの大迫力が近づくと、思っていた以上に興奮する。たぶんフェリー代はそこそこお高かったと思うのだけど、そんなの瞬時に忘れるくらいに楽しかった。
自然ってすごい。世界中を知ってる訳じゃないけど、こんなに大きな自然はそう見られない。日本にも“東洋のナイアガラ”がいくつかあるらしいけど、おいおいおいおい。ナイアガラが大瀑布なら、日本のそれらはただの渓流。花火のナイアガラの演目の方が、スケール感を的確に表現してると思う。
やけに大人が多くて、子供はあまり見ない。さらに外国人よりもカナダ人らしき人々が多いのを不思議に思ってたら、昔は新婚旅行と言えばナイアガラの滝だったと教えてもらった。子供の手が離れて、夫婦二人になって再訪する人が多いとか。明るい空気がいっぱいだったのはそのせいもあるのだろう。
ナイアガラは絶対に行った方がいい。もう一度行けるなら、私は行くわ。
今日の場所は、Google My Map 大吟醸トラベル の85番。