純米@大吟醸

美しいと楽しい、旅と音楽と日々のこと。

65:ポートランド国際空港の思い出

 オレゴン州にはまだ行ったことがない。

 日本生まれ日本育ちの私がこの場所のことを知ったのは、たぶん八十年代半ばに放送されていた『オレゴンから愛』というテレビドラマの影響だと思う。

 『北の国から』に似た番組で、でも舞台はオレゴン古谷一行さんが濃い顔で、海外に住む頑固な日本人(か日系人)の役。そこに日本から内向的な男の子がやってきて一緒に暮らす、そんな話だったはず。たぶん人気番組で、再放送もバンバンされていた。母がこの手のドラマが好きでよく観ていたことを覚えている。

 だから乗り継ぎのためにポートランドの空港に降りた時、「オレゴンから愛の街だ!」と思った。しかし、次の瞬間には私のポートランドの印象は変わった。

 “空港の窓からキレイな山が見える街”

 山の名前は知らなかった。建物の端まで行って山をよく見ても、ナタリーポートマンが出演していた森永のカフェラッテのパッケージに描かれた山のように思えた。商品名は『マウント レーニア』のはず。では、あれはレーニア山なのかなと。

 フッドという山であることは近くにいた女性が教えてくれた。しかし、それでも当時の私はマウント フッドという名前にピンと来ない。乗り換えの短い時間だったこともあって、その時はひたすらキレイと思って目的地へと旅立った。

 改めて見ると、頭に雪をかぶった形状から浅間山に似た雰囲気を覚える。だけど標高はなんと3429m。日本が誇る富士山より高い山だった。土地が広大だと大きさを見誤るらしい。

 私は山登りはしないけど、素人でも死の危険なしにハイキングができるのかな。またはスキーだったらいつでも行きたい。そういえばオレゴンから愛のタイトルバックにも大きな山がでていた。それもこの山だったのだろう。あのとおりの景色が見える場所にもいつか行けるといい。

 今となってはポートランドと言えば、ナイキの本社。住んでいたことがある人に聞くと、そろって「とても住みやすい街」だと言う。春と冬、いつか絶対に行きたい。今度はちゃんと街に降りてくる。

今日の場所は、Google My Map 大吟醸トラベル の65番。