純米@大吟醸

美しいと楽しい、旅と音楽と日々のこと。

97:榛名神社の思い出

 私の氏神様は平地の住宅街を歩いて五分のところにいらっしゃる。それに比べると、この榛名神社氏神の方は大変だなと思った。

 ある時、ふと気になって群馬県榛名神社に行くことにした。山の中にあるから、神社に近づくにつれガチな山道に。途中には「その曲がり角の先に何があるの?」と問いたくなる真っ暗なカーブとか。真っ昼間なのに怖かった。

 神社に着いて本殿に向かって歩き始めると、いきなりなんだか勝手が違う印象を受けた。参道が長そう。門から五百メートルらしいけど、えー、あれはもっとある。明治神宮だって伊勢神宮だって本殿まで結構な距離だけど、それとは全然違ってる。

 上り坂だからだろうか。深くて古い木々に囲まれた細道を登って行くのは非日常で、清々しい気持ちになった。それと同時に日陰を歩く時は薄暗くて怖い。神様がいる場所は厳かで当たり前。本来は、キャーキャーペチャクチャ話しながら歩く方が畏れ多いものだろう。

 途中で門がある。この神社の建物は木で作られていて、特に大きな改修もされずに長きに渡って雨風に晒されてきた感じが大迫力だった。千社札の中で一番古い物はいつの物なんだろう。それと、そうした門が巨石を背景に建てられているのも不思議だった。石?岩?もまた祀られているのだろうか。その岩が風化で色あせた建造物と一体になっている様子に修行の山のような雰囲気を抱いた。水墨画に描かれそう。

 修行、そう修行だ。神様にご挨拶しに来る場所なのだから正装をすべきなのだろう。だけど、ヒールなんて履いてたら足が痛くなる。石畳だし転んだら危ない。それでもこの神社に参拝するためには、老若男女誰であっても自分の足で登らなければならない。歩くのが困難な方はどうしたら…と思ったけど、まずは自分でお参りできる健康を維持すること。そして人間同士で助け合うこと。こうしたことをする場所を神様が与えてくれているのかなと思った。琴平神社もそうだ。

 おみくじを引いて神様の声を聞いて、書かれていたとおりに水に浮かべた。情緒ある。帰り道はもう日が暮れる頃で、きれいな夕暮れの空を見ることができた。たぶん、私の心が洗われていたんだ。

 そうそう、参道沿いにはお店があるらしい。私は中途半端な場所の駐車場に停めてしまったのかもしれない。田楽と群馬と言えばな焼きまんじゅうを食べたかった。

今日の場所は、Google My Map 大吟醸トラベル の97番。