純米@大吟醸

美しいと楽しい、旅と音楽と日々のこと。

26:兼六園の思い出

  • 子供の頃の記憶
  • 御姫様の小世界
  • カレーのフォーク

 金沢は好きな街。全然行き尽くしていないけど、SNSやメディアで見るとキュンとする。子供の頃にも行った記憶があって、夏の兼六園で抹茶を飲んだと思う。それ以来、抹茶が大好き。でも庭の景色を全然覚えていなかった。

 2019年の年末の金沢出張終わり。新幹線まで時間があったから、兼六園を再訪することにした。親に連れられるのではなく、自分で歩いてその広さに面食らう。そして寒い。雪は降っていなかったけど、広大な敷地には遮る物が何もなくて、体が冷えた。特に金沢城の跡地を通った時。ここには、ただ広い枯れた芝生があるだけ。災害時の避難場所としては使い勝手が良さそうだ。あまりにもがらんとしてて感動が薄かったから、ARかなんかで携帯で見たら昔の様子が見られたりするといいのにと、余計なお世話で考えてみた。

 有名な雪吊りは、雪がない状態でも美しい。あの新品のベージュ色があるだけで、園内がグッと華やかになる。木と池、石と橋。ひとつひとつを丁寧に見ながら歩くと結構疲れる。こんな広大な敷地いる?整備するだけで相当のお金がかかる。と、現代の庶民の私は考えたけど、昔の武家のお嬢さんはお屋敷からそんなに外に出なかったと聞く。であれば、このくらいの小世界を所有したくなっても仕方ないのかと思った。お金持ちの世界はわからない。あと百万石、半端ない。

 残念なことに、お隣の金沢21世紀美術館は休館中だった。展示替えだそう。私は特別なアート愛好家ではないけど、まだ入ったことがないから行きたかった。同じように残念がる観光客がたくさん。外に無造作に置かれたベンチの作品がいい味を出してった、普通の人が普通に座って談笑してるのがなんだかアートっぽかったから。

 尾山神社に行き忘れてしまったのは、私の完全なミス。竜宮城風の神社が気になっていたのに。ドラマになった『私たちはどうかしている』の原作の方に登場していた。あの話は石川の金沢や小松の和菓子屋さんを舞台にしていて、金沢の和菓子が好きな私は興味深く読んでる。ドラマは観てない。

 当然、金沢のカレーも食べる。これはチャンピオン。東京にもあるし、レトルトパックも売ってるけど、現地に来た時に食べるのが良いと思ってる。カレーに刺されたスプーンを引き抜いたらフォークだったことに仰天した。

 そして私は新感線に乗って帰路につく。金沢〜東京間の車窓はいつでもとてもイマイチ。本当の本当に何もない、ただの田舎の風景が永遠かのように続く。遠くに見える飛騨らしき山は黒くて厳かで迫力があった。

今日の場所は、Google My Map 大吟醸トラベル の26番。