純米@大吟醸

美しいと楽しい、旅と音楽と日々のこと。

3月になって雪が降った年

 置き場のない懐かしい写真達とその思い出を書きたいと思います。

daiginjo snow in march before earthquake



 なんてことない東京の街角の写真だけど、私はこれを忘れることも捨ててしまうこともできない。

 これを撮ったのは、3月7日。だんだん暖かくなってきて、フライングで春っぽい服を着始めたりしていた時にこんなにたくさんの雪が降った。皆ワーって感じにちょっと気分が上がって、道路に絵を描いたりしてた。

 この4日後に東北の大震災が起こるのです。

 地震が起きた時も同じようにこの場所にいて、あの半端ない揺れが一旦収まった後に外を見た。路上の人や車は何が怒ったのか把握できていない感じで、動きも口も静止してた。

 その後も夜明けくらいまでずっと、たびたびこの交差点を眺めた。交通手段がなくて歩いて帰るサラリーマンたち。明るくなって土曜日になっても途切れることがなかった。

 それから思うのです。

 地球も自然もちゃんと前もって教えてくれている。雨が降る前に独特の匂いと涼しさを運んでくる風がまさにそう。これから起こることの大小に関わらず、気温、空、風とか何かしらの変化を見せてくれている。それに私たちが気づかないだけ。

 在宅勤務になってよかったことは、窓の外を見て、窓を開けて風を感じながら仕事ができること。私の会社は高層ビルなので窓が開かないし、ブラインドも下げっぱなし…。それじゃダメだなと思った。

 毎朝、日の出を拝むご老人がいるけど、そんな風にしたい。夜は日が暮れるまでに退社して、家までの道を歩きながら太陽が沈んでいくところを見たい。スマホばっかり見てないで、空や木々や生き物を把握したい。週末には少し遠出をして変わっていくスカイラインや変わらない自然を眺めるのもよさそう。

 ここ十年はこれまでにないくらいに何回も生き方を考え直す機会があった。ちゃんと忘れないで継続していかないとと思っている。